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モノ造り日記

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9月30日(土) 曇り雨 夜中に大雨


■今日は半期締め日。実はそれ以上に意味のある日なのだ。一年前にはまり込んでしまった底なし沼から、この日を目指してやってきた。そんな特別な日。タナトス的生活から脱却し心変わりを恐れない勇気を持ち、同時にエロス的生活を謳歌しながら無駄を切り捨てる。 ■今日、愛車を売却して自転車を購入し、ウィスキーグラスを傾けるかわりにダンベルを握り、煙草を辞めてスポーツクラブへ入会する。いくつかの資格を取得するための勉強も軌道に乗ってきた。

■昔の話だが、スタッフへ支払いを済ませたら、原稿を納品するためのフロッピィディスクを買えなくなってしまったことがある。たかが百円かそこらの金さえ手元から消えた。事業を起こした直後に相次いでメインのクライアントが倒産の憂き目にあったからだ。一年かけて準備し約束していたはずの仕事がご破算になったからだ。悪いことが重なったのだ。 
■約束を守らないで平然としている人種が世の中に存在することを知った時期でもあった。無一文の情けなさと現実の狡猾さに、その夜、私は泣いた。しかし、泣いてはいられなかった。その翌日にはスタッフへの支払いが待っていたからだ。 
■借りれるものはすべて借り、売れるものもほとんどなく、途方に暮れていた支払い当日の午後、神戸のオジが突然訪ねてきたのだった。「ホラ、事務所開きにとっとけ!」と、祝儀を周りから集め、ポイと置いて帰っていった。祝儀袋を開いてみると、半端な額ではなかった。スタッフへ支払いを済ませ、残った大半の金額を次への軍資金にすることができた。そうして、うちは立ち直ったのだった。こんな話は事業をやっていればいくらでもある。 
■金があったら、いい仕事をするために次へ投資しろ、とオジに教わった。

■「オイ、起きろ、何やっとんじゃい!!!」と、電話の受話器に向かって私は怒鳴った。オジはまだ眠りから覚めない。