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モノ造り日記

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2001年5月1日(火)  曇りで肌寒いメーデー/観劇「夏ホテル」/一事が万事

●絶え間なく生まれては消える気泡。どの一粒にも宇宙がある●

■黄ばんだ五月

 煮え切らない状況が続いている。色に例えると、このページの地の色。五月は黄ばんだ色で始まった。

■最後の5分で台無し

 「夏ホテル」初日。渋谷PARCO劇場(03-3477-5858)で観る。
 作演出、岩松了。出演者は松本幸四郎、松たか子、松本紀保、串田和美、岩崎加根子、岩松了、他。幸四郎ファミリー総出演である。花束が入口から両わきの通路までピッシリと並んでいた。今日、父親になったというキムタクからの花束も届いていた。公演は5月27日まで同劇場で。チケットはすでに完売。

 劇の舞台は、ドイツ郊外にあるホテル。そこには、マジックの世界大会に日本から参加するマジシャン・ノグチとその一行が宿泊していた。中庭のカフェーには、ノグチとマネージャーが座っている。数日先の本番を控えたノグチは、なぜかイライラしていた。
 大会では大仕掛けのマジックを披露する予定だった。そのマジックには、彼の右腕であるアシスタントがいなければ成り立たないのだが、そのアシスタントがまだ現地に到着していなかったのだ。待てど暮らせど彼はなかなか現れない。なぜ彼が来ないのか。実は、スタッフの中に、彼が現れない本当の理由を知っているものがいた。その理由とはいったい何だったのか。果たして、そのアシスタントは現れたのだろうか。
 マジシャンを取り巻く人間たちの感情を幾重にも重ねながら、話は結末へと進んでいくのだった。

 劇は珠玉のでき。ただし、最後の5分がなければの話。
 あのラストシーン、分かりません。
役者が重要な台詞を落としたのかなあ。あれでは納得いきません。
 「えっ、これで終わりなの?」
 観客は拍手のタイミングに戸惑い、役者たちもそのことに気が付いているようだった。
 初日の反応を見て、岩松はどう思うだろう。ラストシーンを変えてくるかもしれない。いや、ぜひ変えてほしい。中日と楽日の変わりようを観ることができないのが残念でならない。

 岩松劇は東京乾電池が『ジャンジャン』で暴れまくっていた四半世紀前からほとんど観ているが、最近は台詞が多過ぎて間が取れず、間抜けな芝居ばかりで辟易していた。役所広司が主演した一人芝居もガッカリだった。
 しかし、この「夏ホテル」は違っていた。明確に区分けされた感情のセルは観客にとって非常に分かりやすかったし、それでも割り切れない感情のセルを縦横無尽に動き回らせて、これでもかこれでもかとあからさまにおっ被せてくるが、何度も何度もはぐらかしてイリイリさせる。たっぷりとした前戯で観客はをもうヌレヌレで、って表現が下品だが、じゃあ行くのねっ! って終焉を迎えたはずだった…。
 しかし、はち切れる寸前まで膨らんだ風船を、パ〜ン!と、威勢よくはじけさせてはくれなかった。シュルシュルシュルとしぼみかけた風船に、自分で針を立て、プスン、と鳴らすしかなかった。ああ、罪な人ね、って感じ。もう二度と膨らませることができない風船は、伸びきって情けないほどに醜かった。
 観客は興奮した感情のやり場を失って劇場を後にしたのだった。

 にしても、カーテンコールはいつも魅力的だ。演技を終えた役者たちは、まだ正気に戻っておらず、うつろいぎみな表情のまま拍手を受ける。あの表情は美しい。

 松たか子が出演していた「オケピ」もこの「夏ホテル」も公演初日に観ることができたのは、「@チケットぴあ」のチケット抽選(でちゅう)のおかげ。ありがたい。抽選に当たったら、きっと縁があるに違いない、と観に行くことにしている。こういうクジ運は悪くない。

■一事が万事

 あるコンピュータ雑誌の6月号が編集部から宅配便にて今日、届いた。
 この創刊2号には、うちの鈴木が寄稿させてもらったので、発行に際して送付いただいた。さっそく開いてみて驚いた。
 創刊号とは明らかにできが違う! 特集記事が充実しているし、他の記事も作り込んであるし、誌面にも落ち着きが出てきている。確実なレベルアップを次号にも期待したい。

 しかし、本誌に添付されていた「送り状」を見て、唖然! 編集部はまだ混乱していることが伺い知れた。
 まず、「送り状」のタイトルが違っている。「創刊号見本誌送付のご案内」とあるが、「創刊2号」の間違い。本文中にある「6号」も、「2号」または「6月号」の間違い。こんな間違いが起きたのは、創刊号を送付するときに使った送付状をコピーして使うときに、修正しそびれたに違いない。数値のような言い訳のきかないポイントを間違えるとは、なんともお粗末。
 本誌の呼称を間違った送り状をもらったことは、これまで記憶にない。

 細かいことをジクジクと、揚げ足を取るような話で恐縮だが、モノ造りは一事が万事という世界なのだ。誌面作りで手一杯なのは分かるが、些細に思えることに気を回せないようだと、本来の仕事もまだまだと判断されてしまうかねない。

■文字幅70%可変。文字サイズ10ポイント。行間150%。


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