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2002年7月12(金) 金は天下の回り物


グラス

●丸い氷に角張ったウィスキーを注ぎ飲む●

■昼前にクライアント様より電話が入り、請求の締め切りが迫っているので、印鑑が必要だから、グエルまで行きますのでよろしく、というのだ。三十分ほどで三田方面から車を駆ってS氏とI氏の二人がやって来た。■本来であればこちらから出向くのが筋というものだが、甘えてしまった。■決定権を持つ人との会議は小気味よい。その場で請求額や支払条件などがビシバシ決まっていく。■申し訳程度に、お土産にと『カフェ・ドゥ・ガウディ』のサンプル珈琲を数種類お渡しする。■金は天下の回り物。使わなければ戻ってこない。

■寝不足のまま起き出したせいか、会議の後、なんとなくTVを見ていたら、高校野球の地区予選が開幕していた。ぼんやりしていたら、勝利したキャプテンのインタビューがTVから流れていた。なんとも平和な午睡である。仕事が一段落した気安さか、支払いが決まった安心感からそうさせてしまったのかもしれない。とはいえ週末には、最終段階に入ってきた英文書籍と和文雑誌について注意力を要する細かい執筆が待っている。

■夕方、ファクスが入っていた。日経マスターズ創刊第2号の特集記事のレイアウトだ。うむむ、とうなる。編集者の苦労の跡がそこかしこに見える。取材先へ配慮しながら、スタッフの力を生かしつつ、版元として伝えたい記事を作らねばという責任。多方面の英知を集め、その微妙なバランスの上に成り立つ世界は、ひとつの芸術と言ってよい。

■夜、閉店直前の『大坊珈琲』に滑り込む。二週間ぶりに会うマスター。いつもと変わらぬブレンドNo.1。『カフェ・ドゥ・ガウディ』を始めたいきさつを報告すると、「強力なライバルが現れましたね」と、マスターはいたずらっぽく笑った。『大坊珈琲』のカウンターには、延べ百万人を超える客たちの手垢がついているのだ。勝負にならない世界のお話ですよ、と受け流す。

■南青山の『ピーコック』がリニューアルしてほぼ半年がたったが、なかなか繁盛しているようだ。うちでもほぼ毎日利用している。夜、そこで仕入れた丸い氷にウィスキーを注ぎ込んで飲む。

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