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2002年8月9日(金) 常識を破って歩く人たち


Docomoタワービルが目立つ新宿南口高架橋

●人生、何があっても不思議はない●

■十五年来続く仲間が新宿『彩』に集合。■音信不通になってる仲間たちの話を皮切りに、自分たちの近況報告、その昔言い残してしまってた本音、ここ最近で面白かった話、と次々に続くのだった。制限時間の二時間はあっけなく過ぎ去り、次の店に向かった。■今日、最も衝撃的だった話は節っちゃんから出た。■今年、小学生に上がったばかりの女の子と、5歳になる娘を持つ恩師がいるのよ。もう、同窓会でみんなひっくりかえっちゃったわよ。だって、先生の御年は今年で83歳なんだから。■先生はこう言ったという。「あなたの子供がどうしてもほしい、って言うものだから結婚したんだけどね。子供ができたことも奇跡みたいなものであったし、娘が最初の誕生日を迎えるまで生きていられれば本望でしたよ。そうしているうちにまた奇跡的に二人目の子供ができたんだよ。そうこうしているうちに、長女が小学校に上がり。…もう、いつ死んでも本望、そんな心境なんだよ」■節っちゃんは言った。「あの先生の嬉しそうな顔。マッチョでもないのにあの精力。信じられなくて。人生何が起きるか分からない、というか、人生いつになっても捨てたもんじゃないなあ、なんて感動しちゃったりして。そう言えば、卒業してから私も何回か先生と二人きりで食事したことあったんだけど、ひょっとして私もその候補だったのかもしれない!」と、大笑いするのだった。■宴に出席した男性三人、開いた口が塞がらなかった。■思い出したようにK氏が口を開いた。「でもさ、子供がいじめに合わないといいけどね。ひ孫みたいなもんだろ。それに、嫁さんと40以上、年が離れてるしさ。子供はオヤジのこと家の中じゃ“お父さん”っと言って甘えていても、外じゃ“おじいちゃん”と呼んでたりしてて。それにさ、言いたかないけど、ホントに自分の子供なんやろか。言うに言われぬ相手、たとえば妻子ある男性が本当の相手だったり。それを承知で先生は結婚したのかもしれないじゃん」■はああ、とため息とついて節っちゃんは言った。「ああもう、なんで、ええ話をぶち壊しにすんよの、あんたらは。夢がないのか夢が」■過去も現在も未来も、周囲との位置づけを基に整理してしまう人生は貧しいのかもしれない。

■二次会で解散。その後、新宿三丁目にある『ル・パラン』で待ち合わせた人と飲む。今夜は少しハズレだった。居合わせたポーズ野郎にうんざりしたからだ。酒の話も葉巻の話も、固有名詞の羅列ばかり。で、なんなの? あ〜た、このバーに来るには十年早いよ、と喧嘩を吹っかけなかったのは、節っちゃんの話が清涼剤になっていたからだろう。それに彼等のアイデンティティを無下に否定する権利はない。バーテンダーH氏と話ができただけでも、ヨシとしよとしなければ。夢心地のままタクシーにて帰宅。後は覚えていない。

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