
●渋谷まで歩き『アルタン祭り』にもぐりこむ●
| ■東京の天気:晴れ/最高気温:32.3℃/最低気温:26.9℃/湿度:65%
■日曜日の午前中は恒例のランニング。■相棒は新宿から徒歩でやってきた藤田氏。■ユニクロで買った靴下と短パン、スポーツシャツを身に付け、カーキ色の野球帽をかぶり、サングラスをかけ、エアーショック機能のあるジョギングシューズをはき、ラップタイムを計測できる時計を腕に巻き、いざ出発。■丘の上を吹く風には秋の香りすれど、陽光強く入道雲も空高くそびえ立ち、夏は主役の座をまだ明け渡そうとしない。 ■青山墓地の桜並木を抜けて青山通りを渡る。神宮外苑の中央にある聖徳記念絵画館を正面に見ながら、まだ青々とした銀杏の並木道を走る。両側の並木道に挟まれた広い車道は、日曜日には通行止めとなる。■スケボー野郎がいないのが不思議。禁止なのだろうか。その替わりと言ってはなんだが、ローラースケートをはきスティック振り回してホッケーをしてる団体さんがいた。あまり迷惑にならねば、それもよし、と考えるべきか。■ローラー付きスニーカーが流行らしい。ローラーが付いている踵(かかと)だけで、バランスをとって滑っている子供たちが、たくさんいた。 ■絵画館を囲む円形フィールドには、軟式野球場が4面、テニスコートやバッティングセンター、駐車場などがある。フィールドの外縁には大きな潅木が植えられており、フィールドを一周する歩道に日陰を作ってくれる。一周1.3キロの周回コースを二周する。■周回途中、絵画館入り口近くでライターの湯山きょうこさんと鈴木が合流す。■軽く走ると、神宮外苑バッティングセンターが目に入った。「いっちょう、やりますか?」と誰かが言いだした。 ■四人して球をぶったたく。空振りすると悔しがり、かっ飛ばすと悦に入る。単純な気持ちの選択は爽快。■真面目に走るのも快感だが気紛れも悪くない。■競歩を真似て笑いながら急ぎ足で帰宅。走るための筋肉と早足に使う筋肉は場所が違う。笑えないほど痛くなる。シャワーを浴び、みなで『木須林』にて餃子ビール。 ■こうして第一ラウンド終了。午後から第二ラウンドが始まった。 ■午後3時半を過ぎた頃、暑さはピークに達していた。表参道から原宿を抜け、NHK放送センターの中を突っ切って『渋谷公会堂』へ行く。■NHK前の広場には1万人ほどの観客たちがごった返していた。近くの歩道も原宿駅へ渡る歩道橋も人で埋め尽くされていた。アイドル系歌手のコンサートが終わったばかりらしい。■こちらにゆっくりと移動してくる観衆をかき分けながら先を急ぐ。■『渋谷公会堂』前の広い歩道には穏やかな時間が流れていた。デビューを夢見ているバンドの演奏に聞き入る人たち。そのかたまりが数箇所あった。 ■『渋谷公会堂』には午後4時着。誘ってくれた作曲家の恋さんは、先に来て席に座っていた。■ケルト音楽のコンサート「アルタン祭り」は、それから午後8時まで2回の休憩を挟んで延々4時間続いた。■このワールドミュージック音楽祭には、昨年も彼が誘ってくれた。昨年も同じように4時間ほどの長丁場だったが、座席がなくずっと立ち見だったため、膝が痛くなった覚えがある。今年も長丁場だが、座りたいときに座れるだけでもありがたい。 ■最初に2つのグループが1時間ほど演奏し、最後の2時間ほど「アルタン」の登場となる。■「アルタン」は実力、人気ともにアイルランドを代表する5人組みグループ。「チーフタンズ」や「クラナド」といった大御所級ではないが、ケルト音楽を世界に広めたスタンダードバンドのひとつといえる。日本にも熱狂的なファンが少なからずいる。■「アルタン」の演奏はさすがだった。「アルタン」は「クラナド」と同じ出身地。曲想も歌声も良く似ている。「アルタン」のほうがよりトラディショナル。歌声が「クラナド」のボーカル(エンヤの姉モイア・ブレナン)とそっくりだと感じたのは、節回しと発生が似ていたからだろう。■その前に演奏した2つのグループのできも素晴らしかった。■「フォーメン&ザ・ドッグ」は力強い演奏で観客を一気にケルト音楽の世界に引き込んでしまった。■二組目の3人組「シャロン・シャノン」が、実は本日一番の掘り出し物だった。シャロンはアコーディオン奏者。妹のメアリーがバンジョーで掛け合い、ジムが力強い独特のギター奏法で曲のベースを作り、シャロンがアコーディオンで旋律を奏でる。こんなに感性を刺激されるアコーデオンの演奏を目の当たりにしたのは生まれて初めての経験だった。■恋さんも同感だったらしく、会場に特設されたCD売り場に、二人とも彼女のベスト・アルバムを買いに走ったほどだ。 ■なぜあの演奏が人を魅了するのか、『ラージマハール』にてカレーを食しながら話す。「それは彼女の演奏には“揺らぎ”があるからじゃないかな」と恋さんは言った。なるほど!と私も膝を打つ。■あの“揺らぎ”はどこから来るのか。どうすればできるのだろう。■ベスト版だけでは飽き足らず、HMVに寄って彼女の1stアルバムを購入して帰宅す。「枠にとらわれない新しい感性」と評されたそのアルバムを朝まで聞き入る。 |