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2002年9月3日(火) 探す楽しみ、過ぎ去る時間


●都庁から見る夜景は無料。感無量。●

■東京の天気:晴れ/最高気温:33.7℃-/最低気温:26.8℃+/湿度:65%

■夕方から外出。■中堅・中小ビジネスのIT活用実践誌「日経IT21」には取材記事がびっしり詰まっている。だから編集部に行くと、ほとんどの記者たちは出払っていることが多く、何人か集まって飲むなんて機会は乏しい。■今夜はなんとか集合できた。連載している鈴木の記事は好評らしい。Excel連載担当の池田氏、メールと取りまとめ役の長谷川副編集長、そして桔梗原(ききょうばら)編集長の三名が平河町にあるえぞ会席料理屋『はまなす亭』集う。■

■印象的なサウンドには秘密がある。■「どこかで聴いたことがあるサウンドだけど、いま演奏している演奏者でなく、別のアーティストがどこかで演奏していたはず。誰だったっけなあ?」と、頭をかきむしって記憶を駆り立てられることほど、楽しいことはない。■思い出せないと、気になって何も手につかない。そんな経験をしたことが一度や二度はあるだろう。

■「シャロン・シャノン」のベストアルバムを聴き、5曲目の「Kids」に釘付けとなる。■「あれ、このサウンド。前に何度も聞いたことがあるはずだけど、誰だっけ。能天気に明るいサウンドなのにどこか暗くて。ほら、何度も聴いたことのあるこのメロディ。えっと、あの、誰だったっけ、う〜ん、思い出せない」 ■こんな思い出せないループにはまってしまうと、もう何も手に付かない。困ったものだ。■心当たりのあるCDをひっくり返してみる。

■「クラナド」「チーフタンズ」「コアーズ」「U2」など、そのほかにもケルト系サウンドを当たってみたが、それらしい曲は見当たらない。■「スティング」「カンザス」「ライ・クーダー」でもない。■試行錯誤が繰り返される。当てはあるが、なかなか当たってくれないもどかしさ。それでイライラするかというと、しかし、そうはならない。こんなに大きくて魅惑的な疑問符を脳の中に置いたこと自体を、どこかで楽しんでいるふしがある。

■もしも、誰かにすぐに解答を出されたりしたら、かえって怒り出すかもしれない。■いきなりパンツを見せられても面白くはないのだ。見えそうで見えないからいいのだ。想像力が生まれないところに何も生まれない。■ヘアヌード写真なんて興ざめの極地だ。見たい気持ちもないではないが、やはり、勘弁してほしい。そんなこと、仲間内でやってくれ。■女は子宮でセックスできても、男は亀頭だけではセックスできないのだ、って関係ないか。■とにかく、楽しみを奪いようなヤボなことは止めてほしい。

■とはいえ、「時間的な制約」という、しょうもない要素をからめると、楽しみと我慢にも限度という概念が発生する。■仕方なく、パンフレットに書いてある英文の解説をちゃんと読んでみることにした。■少し何かに負けた気がして面白くない。そんな気持ちを引きずりながら、パンフレットをめくる。

■すると、この“Kids(子供たち)”という曲は、“鷲の叫び(Cry of the Eagles)”という伝統的なケルト音楽と、“もう帰らない(Never Going Back Again)”という曲を組み合わせたものだと分かった。■"Never Going Back Again"をキーワードとしてgoogleで検索すると、Lindsey Buckinghamの名前が浮かび上がった。■リンゼイ・バッキンガムといえば、「フリートウッドマック」の魅惑的な歌姫スティービー・ニックスの恋人だったギタリストではないか!

■作曲者は彼だった。7年間付き合ってきた彼女へ向けた別れの曲だったらしい。■「フリートウッドマック」は70年代から好きでずっと聴きいてきたはず。にも関わらず思い出せないとは情けない。気になっていた曲は、アルバム「噂(Rumours)」の3曲目に入っていた。■余談だが、パンフレットの中のスティービー・ニックスは、やはり圧倒的に可愛らしい。

■"Never Going Back Again"のサウンドは楽天的。子供が遊んでるような情景が浮かぶ。そのサウンドに乗せた別れの言葉。アンバランスに魅せられた脳が、あのメロディを細胞に書き込んでいたのかもしれない。■君とはもう恋人じゃいられないけど、音楽はずっとずっと一緒にやっていきたいんだよ、分かってくれるかい、というメッセージが聞えてくる。■「噂」というアルバムのタイトルを追っていくと面白い。夢、もう帰らない、止まっちゃいけない、自分の道を行け、歌う鳥、絆、…。■音楽を通したメンバーの強いつながりが生んだ「フリートウッドマック」のアルバム「噂」は名作に違いない。1977年発売。スティービー・ニックスも結構な年齢だと思うが、そんなこと、どうだっていいこと。■シャロン・シャノンから別の贈り物をもらった。

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