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最終更新日: 2004年8月4日

■19世紀の世紀末、ガウディは精神的な変貌期に突入していた。サグラダ・ファミリア教会の建設に集中度を高め始めていたのだ。記録によれば、その変貌期は1893年から98年とある。
■そのような時期にガウディは、断りきれない依頼物件に関して基本設計をだけをおこない、実際の設計施工は助手たちの手にゆだねたのだった。
■「グエル酒蔵」は助手フランシスコ・ベレンゲールが担当した。三角断面の構造体による幾何学的な建築物は、ガウディ建築にしては異質だったため、ガウディの作品ではないと思われていた。しかし…
■1977年、その認識は覆された。ガウディ研究者バセゴダ氏は、この建造物がガウディの設計によるもので、ベレンゲールは現場を監督したスタッフであることを突き止めたのだった。
■現在では、ガウディの建築物の1つとして紹介されている。

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Cellers Güell
グエル酒蔵
(1895-1901)
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■「グエル酒蔵」は、バルセロナの中心地から南南西へ30キロ離れた地中海に面した町、ガラフにある。
■ガラフ一帯には当時、依頼主のグエルが経営するブドウ園があり、酒蔵もあった。その酒蔵の隣りに増設されたのが、この建築物だ。
■敷地は17×60mとやけに細長い。三角形断面の構造体が特徴。石造りに見えるが、建築本体はレンガ造りの石張り。窓枠や縁には切り石が使われている。
■地下二階と地上部の一階が酒蔵として使われ、二階は管理人の住まい、三階は祭室にあてられた。
■左の写真は西側ファサード。東側の外階段から二階の玄関ポーチに上がり、そこから三階中央にある祭壇に入る。この酒蔵は、地域の教会としても使われたのだった。
■モダン建築の旗手ミース・ファンデルローエの言葉「Less is more」に通じるデザインは、果たしてガウディの設計によるものなのか、疑問が残る。
■写真撮影日は2002年10月17日。


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